徒手空拳TOSYUKUKEN

電車で移動中、向かい側のシートに座っていた2歳ぐらいの女の子にノーまばたきで凝視され、手を振ってこられたので、にこやかに手を振り返してみたのですが、その瞬間、目をそらされてしまい、代わりに、娘の視線の先を追ったお父さんがこちらを振り返った。そのせいで、なんだか俺がその男性に向かって手を振ったみたいな変な感じになってしまい、もちろん赤の他人なので、ただただ気まずい感じに。
その後しばらくして、次の停車駅で乗り込んできた筋肉質系の男性が、車内がガラガラなのにもかかわらず俺の真隣に着席。折角空いているのに狭いのも嫌だなあと思って、座席を移動しようと立ち上がったところ、さっきの女の子が俺に向かってタックルしてきた。そのおかげでようやく手を振り返すことに成功。お父さんとも「どうもすみません」「いえいえ！」みたいな会話を交わすことができたので、先ほどからの気まずさは解消。朗らかな気分でふと振り返ってみると、例のガチムチ氏が、さっきまで俺が座っていた辺りを手で撫で始めていたのであった。